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腰痛や肩こりなど、筋肉ロックが原因の痛み発生メカニズム

更新日:2021年8月24日

筋肉が硬く(ロック)した場合に発生する痛みは2つタイプある



筋肉が硬く(ロック)した場合に発生する痛みは、大きく分けて2つあります。今回はそれぞれの痛みの特徴と、どの症状と関連しているかについて書いてみます。


硬くロックした筋肉は、筋肉に力を入れている時と全く同じ状態です。逆に言うとロックしている筋肉というのは、力を抜こうと思っても筋肉に力が入ったまま抜けない状態だとも言えます。


ところで、力を入れている筋肉の状態はどんな状態でしょうか。


・硬い

・太い

・短い

・伸びない


だいたいみなさんがイメージするのはこんなところだと思います。

この4つの状態がキープされていることのが、筋肉のロックなのです。

では、これらのことが維持されていると、どうして痛みが生じてしまうのでしょうか。


血流が悪くなることによって起きる痛み

上記の4つの項目のうち、「硬い」と「太い」が血流が悪くなることによって起きる痛みに関係しています。

硬くて太い状態を維持している筋肉が増えるとどんなことが起きるのでしょうか。

血管が筋肉と筋肉の間を通っているのを想像してみてください。もし硬くて太い筋肉が増えると、その血管はどうなってしまうかというと、圧迫されてしまいます。血管が圧迫されたら、血管の中を流れる血液は流れなくなってしまいます。

血液は老廃物を運ぶだけでなく、体に必要な酸素や栄養も運ぶ役割を担っています。特に酸素が少なくなってしまうと、栄養をエネルギーに変えることができなくなり細胞が正常に働くことができなくなってしまいます。

そこで、どうするかと言うと、より多くの血液が流れるように血管を拡張する作用がある「ブラジキニン」と言う物質を血液中の血漿が生成し始めます。このブラジキニンと言う物質が発痛物質なので、ブラジキニンがたくさん生成されればされるほど痛みが強くなるのです。


このタイプの痛みは筋肉のロックを解除すると、血流が正常になりブラジキニンの生成が行われなくなるので、痛みが消えていきます。


ちなみにマッサージなどで痛みが一時的に消えるのも、刺激を加えて血流を促しているからです。ただ、この場合は筋肉のロックそのものは解除されていませんので、時間が経つと再び血流が悪くなり、痛みがぶり返してしまいます。


このタイプの痛みが原因となっている症状は

・長時間同じ姿勢をとっていると痛みが出てくる

・朝起きたら腰が痛い

・座っていると脚が痺れてくる

・動かし始めに強い痛みが出て、その後は楽になる

・肩こり・首こり

・肩こりや首こりからくる頭痛

などです


筋肉が硬く縮んで伸びなくなったことによって起きる痛み

それでは、もう一つの痛みのメカニズをご紹介します。ロックした筋肉の状態のうち「短い」と「伸びない」が今回は関係しています。

ロックして伸びない筋肉を無理に伸ばそうとするとどうなるか想像できますか?今まで色々な方にこの質問をしてみたのですが、「ちぎれる」「負荷がかかって痛みを感じる」などの回答が多かったです。

残念ながらこの二つとも不正解と言うことになってしまいます。

特にスポーツをしていた男性の方であればこんな経験はないでしょうか。筋トレした後に、筋肉の硬さを競うために胸や腕に力を入れて、二の腕や大胸筋を軽く殴ると言うことをしたことはないでしょうか?



あれ?僕たちだけですかね(汗


まあ、とりあえず、僕たちはお互いの筋肉自慢をするために、力を入れた筋肉にパンチをして、どれくらい痛くないかを競っていたのですが、もしこの時に力を入れずにパンチを受けたらどうなるでしょうか。

軽いパンチとはいえ、おそらく非常に痛いと思います。筋肉を刺激や負荷から守ろうと思ったら筋肉を硬くする、つまり筋肉に力を入れる必要があります。逆に言うと硬くロックしている筋肉はこの守る状態をキープしている状態でもありますので、ロックした筋肉は無理に伸ばされても痛みをあまり感じないのです。では、どこが痛みを感じているかと言うと、ロックしている筋肉の横にあるロックしていない筋肉が痛みを感じているのです。ロックしている筋肉はただでさえ縮んでいますので、その横にある筋肉は普通にしていても伸ばされています。その上さらに伸ばされることになるので痛みを感じるのです。


ここでは、狭い範囲に着目して話をしましたが、もうちょっと広い範囲でみてみると、硬く、短い筋肉が増えてくると関節の可動域も狭くなります。以前と同じ動きをしようと思ったら関節に痛みが出るようになったと言うのも、実は関節に原因があるのではなく、筋肉が原因だったのです。


このタイプの痛みが原因となっている症状は

・股関節や膝関節の痛み

・猫背

・特定の姿勢や動きで痛みが出る腰痛などの痛み

・関節の可動域が狭くなる

・五十肩・四十肩

などです


腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛も筋肉ロックが原因

腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は、「飛び出した腰椎などが神経を刺激して痛みを感じている」と思い込んでいる人が多いのですが、神経そのものは圧迫されても痛みを感じることはできません。

実はこれらの症状も筋肉のロックが原因となっています。

腰椎椎間板ヘルニアの痛みは「短い」「伸びない」状態が引き起こしている痛みですし、坐骨神経痛は「太い」「硬い」が引き起こしている症状です。

正座した時に脚が痺れるのは、神経を圧迫しているからではないですよね。血流が悪くなって痺れていると言うことは誰もが知っていることだと思います。坐骨神経はそれと同じことなのです。


椎間板ヘルニアや坐骨神経痛については、また別の記事で詳しく書いてみようと思います。


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