筋肉が硬くなる「筋肉ロック」という概念がわかれば、あなたを悩ませている痛みの原因や対処方法が見えてくる
「体が硬い」というのと、「筋肉が硬い」というのは同じことだと思いますか?
もちろん筋肉が硬くなれば、体は硬くなります。では、生まれながらに体が硬い人(遺伝的に体が硬い)人の筋肉は果たして「筋肉が硬い」と言えるのでしょうか。
私たちが、「硬い筋肉」と表現するときは、その人本来の筋肉のやわらかさよりも硬くなってしまっている状態のことを指します。
「筋肉ロック」という言葉を耳にしたことがない方は多いのではないでしょうか。例えば腰痛や肩こりなど、筋肉が硬くなることによって引き起こされる痛みや不調を考えるときに、「筋肉ロック」という概念抜きに考えるわけにはいきません。今回は「筋肉ロック」について少し説明してみようと思います。
筋肉を守る仕組み「筋肉ロック」
筋肉には「筋紡錘(きんぼうすい)」という、筋肉の長さを測るセンサーがついています。このセンサーは筋肉がどれくらいの速さで、どれくらい伸ばされているのかを測定しているのですが、筋紡錘にはもう一つ重要な役割があります。
「安全装置」という役割です。筋肉が伸ばされると、筋肉は伸ばされすぎないように「縮もう」とします。この「縮め」という指令を出しているのが、筋紡錘なのです。
通常、この「縮め」という指令は一瞬でなくなるのですが、
縮めという指令を出しているのに、筋肉が縮むことができない
縮めという指令を出しているのに、逆に筋肉が伸ばされてしまう
という条件が加わると、継続して「縮め」という信号を出すようになります。この絶えず出ている信号のことを「ストレイン信号」と言うのですが、ストレイン信号がで続けている限り、筋肉は縮もう縮もうとし続けます。この絶えず縮もう縮もうとしている状態の筋肉のことを、私たちは「筋肉のロック」と表現しているのです。
筋肉のこりは、「筋肉ロック」
筋肉が硬くなる原因は、病気なども含めていつかありますが、私の経験上ほとんどのケースで「筋肉ロック」が原因でした。むくみや張っている感じの場合は老廃物、緩みにくい時にはエネルギー不足が原因のことが多いですが、筋肉が硬くなっている場合はほぼ「筋肉ロック」が原因になっています。
守ろうとしている筋肉に負荷をかけると
筋肉ロックは、筋肉の守る仕組みが断続的に働いている状態ですが、この守る仕組みが働いているときに、負荷や刺激を加えるとどうなってしまうでしょうか。これは想像に難くないですよね。余計に守ろうとするのです。
「筋肉ロック」を解除するために、刺激や負荷を利用すると逆効果になります。では、どうすればいいのでしょうか。
シンプルに守る仕組みを解除してあげたらいいのです。
縮んで守ろうとしているのであれば縮めてあげればいい
筋肉は縮むことによって、筋肉そのものを守ろうとします。それでは、ちゃんと縮むことができたらどうなるでしょうか。実は「もう守らなくてもいいんだ」と判断して、筋肉は守ることをやめるのです。この辺りの詳しい話はいずれまたしますが、筋肉のロックを解除するためには、守る仕組みが解除されるポーズ(姿勢)を取ればいいのです。
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